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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第3章 出会い


杏寿郎は少し考えるように瞼を閉じるが、すぐに開いて更紗を見つめた。

「寂しくないと言えば嘘になるな!だが、千寿郎を含め3人が逃げ出さず残ってくれた!1人は柱まで登り詰め、最前線で活躍してくれている。残る数は少ないが、君が最後まで耐えてくれた時、きっと俺は柱としてまた1つ自信がつくと思っている!」

杏寿郎らしい前向きな意見に、思わず更紗は笑顔になる。
この人に助けれ、この人の弟子にして貰えてよかったと心から思えた。

「そんな事もあって、千寿郎は嬉しいのだと思う!共に励まし合える人が1人でもいると救われるものだ。だから、千寿郎が呼びに来るまで待っていてやってくれ、彼なりの労いだ」

そう言われてしまえば台所に行くことが出来ない。
だが、兄である杏寿郎が言うのだから、千寿郎なりの労いに間違いないだろう。
無碍にするのも気が引けるので、この部屋で待つ事にした。

「分かりました。今日は千寿郎さんの優しさに甘えさせてもらうことにします」

フワリとした更紗の笑顔に昨日まではただ癒されていたが、今は少し胸がチクリと痛んだ。
自分の心の内だが深く踏み込んではいけない気がして、必死にその痛みを抑える。
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