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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


ほんの数秒。
少しだけの軽い接吻を交わし、杏寿郎は顔を上げる。

「俺も今押し倒しても押し倒さなくても更紗のそばを離れるつもりはない。あまりに君の反応が愛らしくて虐めてしまった。すまない。だが、接吻をした事は謝らない」

更紗は両手を唇に軽く当て、頬を紅色に染めながら目を潤ませて杏寿郎を見つめている。
トロンとした目元は、杏寿郎の理性を再び飛ばそうとしてくる。

「君のその表情は俺の理性をいとも簡単に飛ばしてしまう……俺の前だけにしてくれ」

そうして杏寿郎は更紗の頬から手を離し、両腕で華奢な少女が壊れてしまわないようにギュッと抱き締める。

「杏寿郎さん、私、このような事をするのは杏寿郎さんが初めてで……その、すごく嬉しいです」

杏寿郎の胸に顔をうずめて呟く囁きさえも、今の杏寿郎には欲を刺激する毒だ。

「俺も嬉しい。俺も更紗が初めてだ。今まで愛だの恋だのに全く関心がなかったが、まさかここまで心掻き乱す少女が現れるとは思いもしなんだ。初めて愛せたのが、更紗で本当に良かったと思う。俺の前に現れてくれてありがとう」
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