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Honeymoon

第3章 攫われて


「こ……こは……」

ギッと軋む音と肌を滑るシーツの感触でここがベッドだという事は分かる。

だけど私は混乱していた。

どこかも分からない場所で、私は裸だった。
ショーツさえ、何も身につけていない。

「……一体」

ホテルの一室の様な気がするが、それよりは僅かに生活感がある部屋。

外はまだ暗いようだ。

まさかとは思うが私はあの男に…?
違う。そんな感覚は体に残っていない。


だけどこの状況は危険過ぎる。

シーツを巻き付けただけの格好でも構っていられなかった。
急いで周りを見渡し自分の荷物を探すも無い。
クローゼットに走りそれを開けるも中は空だった。

絶望的な気分でカーテンを避け、窓を開けてみるとここはマンションなのだろうか。
少なくとも5階か6階の高さはありそうだ。

それではとドアの方向に振り返ったその時。


「おはよう……ってまだ真夜中だけど」

いつの間にか男が戸口に立っていた。
やはりバーで出会った人だ。

一瞬だけの武者震いで得体の知れない怖さを振り切りその男を睨んだ。


「あっ、…あなたがやっぱり。あの時、私に何か飲ませてこんな所に連れて来たの?」

答えは無かった。

「…私の服と荷物を返して」

無表情のまま、彼が微かに眉を上げた。

やっぱりあの時こんな人、無視すればよかったんだ。そんな自分の迂闊さに唇を噛んだ。

「工藤からは大人しい女って聞いてたんだが」

「…………?」

そう独り言のように呟く彼はどこか楽しそうだった。

「荷物は隠したから探しても無駄だ。外へ出るのもな」

ゆっくりとこちらへ近付いてくる。

「あんたは割と着痩せするのか。さっき脱がせた時、うっかり寝てる女を犯す所だった」


口角を上げて口にする彼の言葉に身を固くした。



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