第5章 告白
~ラギーver~
授業終わり、いつものようにマブであるエースとデュースと廊下で話していた。嫌なことがあるとすぐこの2人に話しちゃうんだよね。
「ねぇ聞いて…さっきグリムがさぁ、今日の菓子パのために用意したお菓子全部食べちゃてさ…」
「げっ…それオレたちが食べる予定のお菓子じゃねーか…」
「当の本人はどこにいるんだ?」
「知らな~い、怒ろうとしたらどこか言っちゃったんだもん…それよりさ、お菓子がパーになっちゃったから今から作ろうと思うんだけど、手伝ってくれない?」
「ああ、構わないぞ。」
「うへ~…グリムのせいで面倒臭いことになっちまった…」
お菓子パーティーのお菓子はさすがにサムさんのところから買ったものだけど、なくなったとなればまた買うようなお金は残念ながらない。費用削減のために自分で作るしかないのだ。ふたりを誘ってオンボロ寮に向かおうとした時、後ろからにゅっと手が出てきて肩を抱かれた。
「ちょーっと失礼。この子借りてもいいっスか?」
「わ、ラギー先輩?」
「どーも。とりあえず来てほしいっス。」
「え?あ、ごめん!!また後でね~~…」
強引に引っ張られ挨拶もそこそこに引きずられる。困惑した表情で見送ってくれたエースとデュースだが、何を隠そう私が一番困惑しているんだ。連れていかれた場所は校舎裏の大きな木の下だった。この場所はほとんど人がいなくて穴場だ、とラギー先輩が教えてくれた場所だ。
「何か用事ですか?ラギー先輩。」
「……とりあえずそこに座ってほしいっス。」
「……?はい…って、わっ!!?」
大人しく言うこと聞いて木の幹に座ったら、ラギーは嬉しそうに私の膝の上に寝転がった。ゴロゴロと満足そうに喉を鳴らしているけど…私は困惑しかないのだが?