第4章 ポッキーゲーム

い、今キ、キスした？頭が混乱してきてまともにエースを見れなくなる。いつも私から押しかけて翻弄している自覚はあるので、逆にこうやってグイグイ来られるとパニックになってしまう。そんな私の様子を見てエースはニマニマとする。

「混乱してんな～…だってお前さ、どうせオレ以外ともやるんだろ？だったら先にとられる前にとっちゃおうってね。別に嫌じゃねぇよな？」

「………これだからトラッポラは…」

「んじゃもう一回ね。今度はなつきからここにしてくれるまでオレ動く気ないから。どうする？」

意地悪そうに自分の唇をペロっと舐めて笑うエース。一択しか道が残されてないことに絶望を抱くべきか嬉しさを覚えればいいのか頭がグルグルとしてきた私であった。