第3章 メイド服

「…なに、」

「んー…こっから見ても可愛いなって。」

「なっ…ズルいよそういうの…」

私の顔を見るために、顔を傾けて覗ぎこまれればたちまち真っ赤になってしまう。本当に可愛いと思ってくれてるのがわかるほど幸せそうに笑われたらもう恋に落ちるしかない。

「なつきのそうゆーとこも好き。これからもオレの専属メイドになってよ。絶対に後悔させないからさ。」

そんなのなる、一択しかないじゃん。


～おまけ～

「………バカ、」

顔が近づいてきて、キスしそうだ…なんて思ったとき、部屋のドアが勢いよく開く。いきなりのことで、私もエースも驚いて飛び上がってしまった。入ってきたのはデュースでもなくルームメイトでもなく、まさかのフロイドだった。

「あ～いた、サンゴちゃん。」

「フロイド先輩…っ！！？」

「お楽しみのところ悪ぃけど、それ脱いでくんねぇ？」

「えっ、」

「よっ、と貰い～♡」

「きゃああああああああ！！！変態！！！」

静止も聞かず、ずんずん、と私たちのところまで遠慮もせずに近づいてきた。そしてスカートの裾を持つと、なんとそのまま上に引っ張り上げて無理やり脱がされてしまったのだ。目の前にエースもいるし、私も純粋な乙女なわけで。反射でフロイドの頬を引っぱたいてしまう。

「いって～～っ！！！」

「追剥か！！？もっと他にあったでしょうに！！！どうせそれかなちゃんに着せるんでしょ！！？」

「そーだよ～」

「幸せそうにしやがって！！！かなちゃんに外泊許可出すから早く出て行って！！！」

「やった～～、ありがとーサンゴちゃん。」

「出てけぇ！！！！」

はー、はー、と息を整える。先輩に対してあんなに声を荒げたのは初めてだ。エースにもデュースにも見せたことのない下着を見られたからだろうか、それともフロイドが見ても眉1つ動かさなかったからだろうか。今日あんま可愛くない普通の下着だけどさ…せめて謝罪くらいは欲しかった。