第5章 思い出した過去
ヴェネットは気づいた。
金色の花はたしかに凄かった。しかし、恐ろしいものでもあった。
お后様は元気な子どもを産んだ後、白内障になり目が見えなくなった。
他の人も皆、〝目〟関係のトラブルが多かった。
そしてヴェネットは考えた。
どうすればお姉ちゃんの病気を治し、尚且つ代償を無くすには…
その時ヴェネットはまだ7歳の子どもだった。
7歳とは思えないほど大人びた考えをしていたヴェネットは、こう考えついたのだ。
たくさんの人から視力や色彩力を貰い、その魔力の塊を花の蜜と混ぜて、眼球にすることを。
だからヴェネットは1年で眼球を作り上げた。
枯れることを知らないキレイな輝きを持った金色の眼球を__
ヴィリルはそんなことも知らずに、ただ病気が治ることに喜んでいた。
でも___病気が治ってから彼女は知ってしまった。
この眼球の作られ方を…
どう知ってしまったのだろうか……
簡単な話しだ。 彼女もまた〝ユニーク魔法〟が発覚していたからだ。