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【血界戦線】中編

第2章 あなたと(番外編1~2)


番外編1

前話の翌日談
※レオ視点 ヒロイン不在

その日、スティーブンさんはデスクで
あからさまにご機嫌であった。
スティーブンさんの後ろに
お花が舞っているように、見えるくらいだった。

そんなスティーブンさんを見たことがない僕は、
少し恐怖した。

ザップさんも
「なんだよあれ…こえぇよ…」と呟いていた。

近くにいたクラウスさんに
「何かあったんでしょうか?」と聞いてみたが、

クラウスさんは
「よく知らないが、
きっと良いことがあったんだろう。」
と言って、クラウスさんも嬉しそうだった。
彼はそういう人だった。

ザップさんが「我慢できないー!」という風に
スティーブンさんに問い詰めた。

「なんか良いことあったんスかー?
すげーご機嫌じゃないスかー。」

スティーブンさんはザップさんの言葉に
一瞬呆気に取られていたが、
また爽やかな笑顔になった。

「あぁ、まぁ、すごく良いことがあったんだ。
この世にこんなにも幸せが存在するのか
ってくらいね…。
まぁザップには
一生味わえない幸せかもしれないがな…。

可哀想に。
ザップ、何か困ってることはないか?
相談くらいは乗ってやろう。」

スティーブンさんはご機嫌で話した。

ザップさんはその言葉にイラッとした顔をしていた。

次に、ザップさんはニヤッとして
スティーブンさんにこう伝えた。
「聞いて下さいよーーっ。

実は、今日、連れの女の誕生日で…
でも俺…金がなくて何も買ってやれなくて…、
くぅっ!情けねぇ!

ということで、金貸してもらえませんか?」

筋が通ってるようで
ザップさんが言うと
全く筋が通っていない話だった。

スティーブンさんは相変わらず笑顔だった。
「ははっ、そうか、ザップ、
この前も、金貸してやった…
というか与えただろう?

…殺すぞ?」

スティーブンさんのどす黒い笑顔に、
ザップさんと僕も凍りついた。

「はぁ、馬鹿の相手をしてる暇はなかった!
今日は、終わった後、大事な用事があるんだ。

そういえばザップ、例の案件やっているか?
凍らされたくなかったら、
さっさとするんだな。」

結局、スティーブンさんのご機嫌の意味は
誰にもわからなかった。

番外編1 おわり
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