第4章 一緒に過ごす夜
「はい、どうぞ。」
「ありがとうございます…。」
まだボーっとする。リビングへ行き、ソファーの上で膝を抱えて座っていた。黒河さんが温かいミルクティーを作って机の上に置いてくれた。
「早めに…帰ります…。」
「あちっ……なんで?」
「迷惑…かかっちゃうので…。」
長居はしていられない。
「別に気にしなくていいのに。それに、むしろ俺はもっと一緒にいたいんだけど?」
私の顔を覗き込んできた。
「…私もです。」
「フフッ…嬉しい。」
*
「…そろそろ帰ります。お洋服も、ありがとうございました…!」
10時になり、そろそろ帰ろうと思った。
「…そっか…寂しい…けど…。」
きっと、今日はもう会えないだろう。
「次シフト被るの…いつだっけ?」
「えっと……。」
私はスマホを開いて確認した。
「…」
「えっと……3日後です。」
「3日後か…。」
「…どうか…したんですか?」
「ん~…明日…会えないな…って。」
「お仕事…ですか?」
「そんな感じ…。」
「…黒河さんって…なんのお仕事してるんですか?」
「……ん~、まぁ…いっか。」
「…?」
「小説家。」
「小説…家……え…す、凄いです!」