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月の雫

第5章 色々あります


ー月胡ー

朝の日課を終え、本日の業務を始める。
鍛刀部屋には私と伽羅。
リクエストしたのだから、自分が付き添うときかなかったのだ。

『では、お願いします。』

 小さな鍛冶師さんにお願いし、祈りを込める。
時間を確認すると、

伽羅「太刀…だな。」

髭切・膝丸と同じだ。

『伽羅も祈ってくれたから、大丈夫だね。』

伽羅「!!」

私が祈る時に、衣摺れの音がしたからそうだろうと思ったが、当たりだったみたい。

『出来る頃にまた、来ようか。』

伽羅「あぁ。」

伽羅と別れ、執務室に戻る。

三日月「戻ったか。
どんな感じだ?」

『髭切・膝丸と同じ時間だった。
太刀だとは思う。』

三日月「そうか。」

『あ、書類を分けてくれたんだ。
ありがとう。』

分類された中から、一つの封筒に触れる。
これは……

三日月「どうした?」

『これに触れて、なんともなかった?』

三日月「あぁ。」

ならば、標的は私か。
封筒の上で印を結び、悪しき気を絶つ。

三日月「Σ!」

これで良し…と。
封筒を開き、中を確認すると予想通りの人物からだった。
まぁ、私以外に危害を加えなかったのは良しとするか。

三日月「月胡?」

『びっくりしたよね。大丈夫だよ。
これ、政府に居た時の“味方“。』

三日月「味方が呪をかけるのか?」

『試してるの。
ちゃんと気づくかどうか、修行を怠ってないか、ってね。
宗近に何の影響もなかったでしょ?
タチの悪い呪なら、周りにも影響が出るからね。』

文書に印を結び、式神にして送り返してやった。
向こうに着いたら“ばーか“と言って開くように。

三日月「本当に、油断が出来なかったのだな。」

『おかげで強くなりました。
普通の呪なら、宗近も気づくよね?
うかつに触れちゃダメだからね。』

三日月「あぁ。」

さっきの手紙…
近いうちに様子を見に来るってあったな。
入れないようにしてやろう。

三日月「月胡…
何やら、悪い顔をしているぞ。」

『いやぁ、どうしてくれようかと楽しみでねぇ。』

だいたい、呪の類は結界を通れないようにしてあるというのに…
相手もなかなかだ。



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