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The end of the story 【ツイステ】

第9章 Darkcloudsルームオーバー



クンクンと自分で手首の匂いを嗅いでみる。よし、匂いするし大丈夫だ。

「オレ様、その香水お前にはキツすぎるとおもうんだゾ」

香水をつけた瞬間、グリムの顔がしわくちゃになった。そんなにキツい?

「私だってこの香りはちょっと華やかすぎるって思うけどポムフィオーレ生は割と好んで付けてるらしいし…魔法が使えない上に女だってバレたら大変だよ………更に目をつけられて厄介ごとになるのは私ごめんだもん。仕方ないよ」
「そうかー?でもオレ様は鼻が効くから出来れば無い方が好きなんだゾ……」
「それ褒められてるのかわからないけど、ありがとう」

グリムは首元に魔法石をつけるとニヤリと笑って部屋を飛び出した。今日も大魔法士になるために頑張るんだゾ!と楽しげな声が聞こえてきてクスクスと笑いながらその後を追った。

***

あんなに朝は意気揚々としていたのに今はぐたっと私の腕の中に収まった。グリムって最近地味に重いのでできれば自力で歩いていただきたい。

「トレインセンセーはオレ様に眠りの魔法をかけてるに違いないんだゾ……」

授業中船を漕いでいたもんね。何度か私が起こしたけど、他の生徒もちょくちょく眠りに落ちそうになっていた。今日は秋の陽気って感じでお日様が気持ちいいから眠くなってくるよね。
それに外は肌寒いのに教室は暖房をつけていないはずなのにあったかいから余計に。

でも、今回はバレなかったからよかったけど、次バレたら宿題増やされるよ?
トレイン先生、居眠りには厳しいから。
いつも厳しい分頑張ってると優しい先生だから私は好きだなって思うのにエースたちに言うと引いたような顔される。いい先生なのになぁ。
よく勉強を教えてもらいにいく身からするとそう思う。

「うー。どんなに抗っても眠気が襲ってくるんだゾぉ…」
「いや、グリムは授業が始まって5分で寝てたじゃないか!それじゃ抗えてないだろ!」
「さーて。今日の昼飯〜何食べよっかなー?
って……そういやさ。今日食堂がやたら混んでね?」
「確かに。何かあるのかな?」

キョロキョロと辺りを見回すと普段は厨房にいるゴーストさんたちが出てきて何か売っているところのようだ。そこに生徒たちが群がっている。
まるでタイムセールだ。

「今日は月に1度のスペシャルデー。麓の街から大人気のベーカリーが出張営業中だよ!早い者勝ちの売り切れゴメンだ!」

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