• テキストサイズ

Room Number 「OOO」【気象系BL】

第8章 008


鮫島が焦れているのは、その態度を見ただけで明らかだった。

鮫島だけじゃない、翔太郎も、そして健太も、態度にこそ出さないが、内心ではかなり焦っていた。

尤も、社長としての責任から焦れる鮫島と、一刻も早く報酬の確認をしたい二人とでは、理由は全く違うのだけど…

そんな中にいて、弁護士である成瀬は別として、大野は実に落ち着いている。

自分が誘拐された結果、ここにいるということを、全くもって理解していない様子だった。

それとも、元々の呑気な性格も起因しているのかもしれないが…

「さっきも言った通り、カードキーを複製することは、容易なことではありません。ましてや、磁気タイプの物や、ICチップ内蔵の物なら尚更です。普通にカードキーを紛失した場合、新たなカードキーが到着するまでには、凡そ1ヶ月程度かかることもありますから」

「そんなかかんだ? 良かったよ、普通の鍵で…」

翔太郎はホッと胸を撫で下ろした。

「では何故そんなに時間がかかるのか…。それは、磁気にしろICチップにしろ、カード自体に情報が記録されており、この情報は製造元…メーカーに依頼するしかないからなんです」

榎本は淡々とした口調で言うと、一息つくためか、ソファに腰を下ろし、コーヒーカップを手にした。
/ 153ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp