第8章 深いつながり
マリサイド
目が覚めると、大きな木の家で眠っていたようで体は随分と楽になっていた。
そっか…傘が壊れて雨に濡れてたっけ…
あのままだったから熱が…
そこに入ってきたピンクの髪の女の子。
「目が覚めました?マリさん」
自然に名前を呼ばれて、少し驚く。
「あ、はい…看病していただいたみたいで、ありがとうございます。すごく楽になりました」
そういうとその人はにっこり笑ってくれた。
「私、かかし先生の教え子でサクラっていいます。
マリさん、病み上がりだから、まだ無理しないでくださいね」
そういった彼女は私よりも年下だろうけど、とても頼もしくみえた。
そう思った途端続けて言われる。
「マリさんて…かかし先生の彼女ですか?」
「え?」
興味深々といった表情で、ズイっと近寄られた。
若干後ずさりすると
「サクラ~。マリを困らせたらダメでしょ」
と聞き覚えのある声に
サクラちゃんはギクリとして振り返った。
「かかし…」
「だいぶよくなったみたいだね、マリ」
かかしは優しく笑って傍にきてくれた。
「サクラ、俺達ちょっと大事な話があるからさ、ここにはしばらく誰も近寄らせないでよ。特にナルトね(笑)
明日いろいろ聞いてやるからって言っといて。あとのことはヤマトに任せてあるから」
「は~い…(かかし先生すぐそーやって厄介払いするんだから。ヤマト隊長もかわいそ~)」
サクラちゃんはしぶしぶ返事をした後、私たちのちょっとフワフワした、でも少し緊張感もあるような空気を察してか、そそくさと外にいってしまった。