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ここで君ともう一度

第1章 ビビりの迷子としゃべる犬


森の中______



「ここ…どこ…」



明るい月明かりの下、私はこの地に立ち尽くす。
周りは生い茂った森で、私はそこに通っている山道にポツンと立っていた。



「なに、ここ…なんか変…」



いくらなんでもシャレにならない。
夢でも見てるんだろうか。

体を触っても、ちゃんと自分の感触がある。
つねってもちゃんと痛みがある。
じゃ、最悪これが現実であることは納得しよう。


でもここ、どこ!?





突然ガサガサっと草むらが揺れ、一気に心臓が跳ね上がる。

「ひっ!」

熊だったらどうしよ…
背中むけて逃げちゃいけないんだっけ?
こわい!


とりあえず背中を向けないようにして後ずさりする。

ガサガサいうその草むらから、何かが突然ピョンっと私にむかって飛んできた。


「ぎゃぁああああ!」


両手で顔を覆ってしゃがみこむ。


「そんなびっくりしなくたって…」

その声にハッと我にかえる。



へ?人間?熊じゃなくて?



そう思って両手をどけてみると、なんとそこには灰色と白の毛並みをした犬が座っていた。

「い、い、いぬっ!?」

「お前、犬っていうな。俺にもちゃんと名前くらいある。
ウルシだ」

「ぎゃぁぁぁ!しゃべった!もー無理、帰りたい!」

犬は昔かったことある。
当たり前だけど、しゃべらなかった。
でもこいつはしゃべる。

話す犬とか、これ、もう絶対夢の話だし。

もうやだ、よくわからないから早く夢なら覚めて~



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