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《イケメン戦国》未来から来た戦国姫

第6章 天主での押し問答




「…ほぉ…で…?」
「護身の為に撃った銃で人が死んだら…。
必ず、人を殺す目的で所持する人が出てきます。そうなったらどうなさいますか?
ならば、人を殺める道具など、最初から無い方が良いのです」
瑠璃が揺れている。
「貴様の危惧することも、
銃は無い方が良いという事も、
全ての結論は俺と同じだな」
悠然と笑いながらの信長のその言葉に、
フッと息を吐き、肩の力を抜いた瑠璃だった。
が、
「だが…やはり護身の為には必要であろう」
絶句して眼を見開いた。

(⁉︎)

「連射出来る銃など、手に入れぬ理由はない。
光秀、なんとしてでも完成させろ」
眼を見張る瑠璃を見下ろしなが、はっきりと光秀に命令をして、更に笑った。
その笑顔が悪慄として見えた瑠璃。

「っつ…今、さっき、無い方が良いと仰ったではありませんか!
護っても殺しては同じになりますっ」
笑顔で平然と言葉を翻した信長に、
瑠璃が取り乱して抗議する。

「では、お前は、この銃で助かるかもしれぬ命をみすみす捨てるのか?
故意に殺めるのでなく、偶然に殺めてしまったのは、同じか?違うであろう」

(違う?同じ?…判断(わから)ない)

信長の口調は諭すように静かだが、
眼は鋭く瞳の奥が笑っている。
「瑠璃、よーく考えろ。
光秀、いいな」
「はっ」
頭を下げる光秀を目の端に入れると、
信長は瑠璃の前から立ち上がり、
部屋を出て行った。






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