• テキストサイズ

私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第15章 フォーミュラ


なんとか頭を動かし彼の攻略方を考え、覚悟を決める。すぐさまミッドナイト先生の私を呼び出す声が聞こえれば、全身に力をいれて前へと踏み出す。広間にでれば次第に見えて来る大勢の観客と対戦会場に、思わず喉がなる。

「ザ忠犬って感じィ!?ヒーロー科、飯田天哉!ヴァーサス、
キレーな顔に似合わず以外と大胆不敵!?同じくヒーロー科、希里トバリ!!」

(そう思われてるのか…)

マイク先生の実況と同時にステージへと上がれば、向こうにいた飯田と目線が会う。お互い視線を外さずにしっかり見据えれば、始まりの合図を待った。

「それでは第四試合…スタートォ!」


◇◇


長い前髪から覗く彼女の瞳を捉えれば、足に力を入れる。
この勝負、緑谷くんとの勝負に引き続き絶対に負けたくはない。

瞬間移動を個性とする彼女に、僕の個性はきっと彼女の天敵。

常に素早く動いていればこちらの正確な位置も捕らえずらく、彼女も安易には移動できまい。

もし彼女が背後などに移動してきても、次のテレポートができる前に避けてしまえばいい。なんとか隙を見て彼女を捕らえ、手が触れる前にレシプロバーストですぐに場外に押し出してしまおう。

何度も頭で作戦を再現してはを繰り返し、気合いを入れる。

(よしっ…!)

「それでは第四試合…スタートォ!」

始まりの合図が響けば、間入れずに猛スピードで彼女へと走り出す。

きっと相手も僕がすぐに行動するのは想定済みだろう。
きっと彼女は走る自分を捉えるためきっと背後かどこかしら近くに飛んでくるはずだ。

向こうもできるだけ早く僕を捕らえ場外に飛ばしたいはず。しかし彼女が気づく前に、あの手に触れられる前に、こちらが抑えてしまえば–––

どこからでも来てもいいように、あたりに全集中しながら彼女をめがけ走り続ける。しかし依然として動こうとしない彼女は、定位置で仁王立ちのまま。

(ギリギリまで待つ気か、
それとも近くまで来た俺に触れてそのまま場外に!?)

そう思いすぐさま急ブレーキで足を止めれば、それに気づいたかのように彼女の姿が瞬時に消える。

(一体どこへ!?)
/ 155ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp