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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第15章 フォーミュラ



「…ほら、起きなさ…いつまで寝てるん…そんなに寝てたら出遅れるさね!」

『うわあ!?』

深い眠りから叩き起こしてきたリカバリーガールの声に、思わず驚きで悲鳴をあげる。勢いよく体を起こせば、ぼんやりとした視界に呆れた顔をしたリカバリーガールが映った。

「もう、アンタどんだけ眠りが深いんだい?」

『…あ、ああ。ありがとうリカバリーガール…』

「お礼なんて言ってる場合かい、さっさといったいった」

『え、今何時です、もう始まってる、いやもう終わった!?』

「なに言ってんのさアンタ…もうすぐ第一回戦が始まるところだよ」

『やばっ…ありがとうございます!それじゃあ!』

リカバリーガールに促されるまま駆け足で保健室を飛び出せば、観客席へと急ぐ。自分の出番は第4回戦だけれど、滅多に見られない皆の試合を見ないわけには行かない。

それになんていったって、最初の試合は緑谷くんがでるんだ。

優しい友人の事を思い浮かべながら階段を駆け上がれば、なんとかたどり着いた観客席。

「あ、トバリちゃん!こっちだよ!」

『あ、お茶子と飯田くん』

私を見つけた彼女の声に振り向けば、麗日と飯田がこっちこっちと手招きをしている。すぐさま空いている麗日の左隣へと腰を下ろせば、なんとか間に合った事に胸をなでおろした。

「どこ行ってたん?もうデクくんの試合始まる、あ、ほら!」

会場の中心へと視線を向ける彼女に続けば、緊張した面持ちの緑谷が出てくるのが見えた。

緑谷の対戦相手の心操という生徒に覚えがないが、ここまで来た相手なら普通科だろうとも油断は禁物だろう。私は緑谷の勝利を願いながら、静かに彼らの戦いを見守った。





その後なんとか苦戦しながらも心操に勝利した緑谷の試合が終われば、簡単に治癒を施した後観客席へと戻って来た。

『お疲れ緑谷くん』

「お疲れ〜デクくん!」

「隣、開けてあるぞ!」

「ありがとう…!」
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