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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第12章 フェスティバル



そのまま意を決して逆走すれば、良さげな太さの木に見つけ瞬間移動で無理やり地から引っこ抜いてしまう。

しかしこのまま橋として使おうと思っても、木の枝と根っこの部分が邪魔すぎる。

(そうだ…切り落としてしまえばいい)

すぐさま己の上着を脱ぎ大きく広げてれば、そのまま根っこの部分を切り落とすように上着を木の内側へと直接テレポートさせる。

実は私のテレポートにはもう一つ特殊な使い方がある。

ある物体にまた違う物体に直接テレポートさせると、その元の物体の内側から押しのけて移動させたものが出現する。

これは物自体の強度は問わないため、どんなに硬いものでもただの上着だろうが紙切れだろうが簡単に切断が可能となる。

そのまま両先を切り落としてしまえば、少しいびつな丸太が完成する。お手製の丸太をなんとか最初の岸にかければ、私専用の橋が完成だ。

自分自身は瞬間移動せず、丸太だけを渡りたい場所へと移動させていけば、なんとか短時間と低コストで前へと進む。

「ッハ!没個性でも工夫すればちょっとは役に立つみてえだな!」

丸太の橋で器用に渡っていれば、突然頭上から聞こえてくる声。こんな嫌味ったらしいことをわざわざ言ってくるやつは一人しかいない。

『爆豪!!』

「じゃあなモブ女!!」


手で爆破を繰り返しながら空を切っていく爆豪は、いともたやすく私を追い越し前へと進んでいく。

『クソ…』

悪態を付けば、自分が元々は負けず嫌いな性格だったことを思い出す。

いつもは抑えているつもりだが、興奮と焦りでつい感情が高ぶり素のままの感情が溢れ出しているようだ。

なんとか第二ステージを終えれば、まだ見える位置に爆豪が飛んでいる。

負けずと止まらずに足を動かしていれば、やっと見えてきた最終ステージはただだっ広い地雷原。すでに轟が避けながら少し前を進んでいて爆豪も空から追いつこうと飛んでいる。

(こんなわかりにくい位置にある地雷を避けながらテレポートしてちゃ演算追いつかないし、疲れて逆にタイムロスだ…)

どんどんと後ろから追いついてきた生徒たちは、次々と地雷原を進んでいく。

その光景を眺めながらまたある作戦を思いつけば、私はその時を待った。

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