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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第19章 デベロップメント



そんなことを考えているうちに発表はおわり、職場体験の説明へと変わる。指名を受けたものたちは個別のリストを受け取り、私も350個もの事務所が書かれた紙を手渡される。

正直こんなにも指名がくるとは予想していなかったため、膨大な数の事務所につい目を回す。この中から一つだけ自分に合った事務所を探すのなんて至難の技で、困ったものだ。

「今週末までに提出しろよ」

『あと二日でこの中から…?』

途方に暮れていれば、相澤先生により解散となりそのまま昼休みになってしまう。

そのままクラスはザワザワと騒ぎ始める中、私は一歩も動かないままリストと睨み合いっこをしている。

「ねえねえトバリちゃん決めた?」

『いやーまだだよ…お茶子は?』

「実はもう決めたんだ!」

「あら、そうなのお茶子ちゃん」

わらわらと私のテーブルに人が集まってくれば、麗日得意げにいう。

『すごいなあ…私はさっぱりだよ』

そのままリストに目を落とし、大きくうーんと唸る。

このまま自分一人で考え込んでも無駄なので、ここはヒーローに詳しい緑谷に意見を聞いてみることにし彼へと顔を向ける。

『ねえ緑谷く…』

しかしそこには先ほどの私のように、リストに顔を埋めてる緑谷がブツブツと呪文のように独り言をとなえている。

『さすがだね緑谷くん…』

「あ、あれ!?ごめん夢中になってて、ど、どうかした?!」

『いや、実は私あんまりヒーロー事務所に詳しくなくて…緑谷くんの意見でも聞こうかと』

「ええ!?僕でいいの?」

『もちろん』

そう言いながら目を輝かせる彼に私のリストを手渡せば、それを見るなりまた一段と興奮しながら独り言を言い始める彼。

(知ってはいたが、かなりのヒーローオタクなんだな緑谷くん…)

「うっそこの事務所からも…えええここからも指名が!?すごいや希里さん!」

『そうなの?』

「そうだよ!!あれ、これって…」

すると突然声色を変える彼に、何事かと私も近づき緑谷が見ている箇所に注目してみれば。

『エンデヴァーヒーロー事務所…これって』

「轟くんのお父さんの事務所、だね」

『エンデヴァーから指名…?私に?なんで??』

「すごいじゃんトバリちゃん、ナンバーツーだよ!」

「ほんとだわ、すごいわね ケロケロ」
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