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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第19章 デベロップメント



体育祭から二日後、今日はあいにくの雨だった。

通常通り始まった学校へと向かえば、なぜだか朝から次々と知らない人に声をかけられる。どうやら体育祭の中継を見ていた人たちが私に気づいたらしく、応援してるだの、連絡先を教えてくれだの、妙に疲れてしまった。

応援してもらえるのはありがたいが、朝からこんなにも人に囲まれるのは慣れていない。しょうがないのでなんとか人混みを個性で逃げ切れば、朝から嫌に疲労が溜まってしまった。

教室に入れば皆似たような事ばかりだったようで、それについて賑やかに話し合っていた。

『はあ…』

「希里さん、どうかしたの?」

席についた途端に大きなため息をつく私に、隣の緑谷が気づき心配そうに伺ってくる。

『いや、ちょっと色々あって…』

「もしかして希里さんも話しかけられた?」

『あはは、うん。緑谷くんも?』

そのまましばらく緑谷と世間ば話をしていれば、教室に包帯が取れた相澤先生が入ってくる。

そのままいつもの様子でヒーロー名考案とドラフト指名について説明し始めれば、体育祭を見たプロヒーローたちからの指名の集計結果をボードに映し出す。

(私は…指名350票!?)

予想していた以上に指名をもらえている事に驚けば、また上位2名の数字に再び驚愕する。轟と爆豪二人ともすば抜けて指名を受けており、轟にいたっては4000越えだ。いつも通り規格外の成績を叩き出す二人に関心しながら、職場体験のためのヒーロー名考案へと話しが移る。 


そのままミッドナイトがサポートとして参加してくれば、各生徒にホワイトボードとマーカーが手渡される。

(ヒーロー名、考えてなかったなあ)

小さい頃の時に考えた事がないわけではないが、それは弟とヒーローごっこをする時の呼び名に過ぎなかった。本気でヒーローを目指し始めてからこれだ、という名前を決めた事もなければ、考えた事もない。

みんなそれぞれホワイトボードにマーカーを滑らせ己のヒーロー名を書いていく中、私はペンを持ち固まる。

(仮にプロヒーローになれたとしてあまりメディアに出るつもりもないし…名前なんてどうでもいいけど…)

そう思いながらポンと思いついた安直な名前をボードに書き出せば、我ながら適当な名前だと呆れてしまう。しかし正直私にはネーミングセンスもなければ、こだわりもない。
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