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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第3章 リスタート



切島くんに加えて芦戸ちゃん、一気に場が賑やかになり、思わずたじろいでしまう。

ヒーロー科のみんなこんな感じなのだろうか…。

中学時代に個性強化と勉強で精一杯だった私に友達らしい友達はできなかった。人が嫌いなわけではないが、私にはどうもコミュニケーションが苦手で。

克服するため高校では頑張ろうと意気込んでいたが、二人の眩しさに早々に怖じ気付いてしまう。

「じゃあこっち!一緒にいこ!」

「おう!いこうぜ希里」

『あ、うん…』

二人に言われるがままついていけば、そこには大きな扉に1-Aと書かれてあった。

 ◇◇


ここは雄英高校ヒーロー科の1-A。

緑谷出久は夢にまで見た憧れの教室で、初日早々に絶望に打ちひしがれていた。

「雄英の先輩方や、机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」

「思わねーよ!てめェどこ中だよ端役が!」

「ボ…俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」

見覚えがある二人が目に飛び込み、早速これからの高校生活に不安を抱く。

ヒーロー志望とは思えない出で立ちで、ぶっきらぼうに足を机に載せる彼、爆豪勝己を説教するいかにも真面目そうな飯田と名乗る男。

そしてそれをあるものは面白おかしく、あるものは呆れて、そしてあるものは不安そうに眺めるクラスの人たち。

これは平和な高校生活とは無縁のクラスだと、緑谷は一瞬で理解した。

それからこちらに気づいた飯田君と、入試でお世話になったいい人こと麗日さんと一通りの自己紹介と立ち話に勤しんでいた。しかしそれは長くは続かづ見知らぬ低い声に遮られる。

「お友達ごっこがしたいなら他所へいけ。ここは、

ヒーロー科だぞ。」


そう言いながら、もそもそ寝袋から出てくるくたびれた雰囲気をまとった人物。担任の相澤消太だ、よろしくね、とまるでよろしくする気のない声で自己紹介をする彼は簡易れず先ほど己が出てきた寝袋から体操服らしきものを引っ張り出した。
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