第21章 ➖触れるな危険➖
=サバナクロー寮・マジフト場=
「はぁ…はぁ…うっそだろ…
1点も入れらんねー。」
「なんて隙のないフォーメーションだ…」
「はぁ…レオナくん…昔から天才司令塔って
いわれてただけあるね」
ソコには先程一緒だった彼等の姿…
ではなく、ボロボロになった4人の姿と
したり顔のサバナクロー寮生の姿
「おら、どうしたァ?もう終わりか?」
「シシシッ!さっきの威勢の良さは
どうしたんスか?」
(あ!あの子…食堂でグリムに纏わり付いてた
魔力の持ち主…)
「ほら、立てよ草食動物ども、
もうワンゲームといこうぜ」
(リドル先輩がいない様な気が……
別件で離脱したのかしら…?
あ…あの子…彼等を止めようとしてる?)
リドル先輩がいない事に気付き
辺りを見渡すと
銀色の耳と尻尾の褐色肌の子が目に入る
彼等から視線を外し
さらに周りを見渡すと…
監督生の姿が見え近付く
『遅れてごめんね…貴方は無事だったのね?』
「え?あ、うん…自分は戦えないから…。
それよりみんなが…こんなの暴力と同じだ」
(魔法が使えないから…あなたは仲間が傷付け
られるのを見守るしか出来なかったのよね…
よく耐えたね……よく耐えたよ…)
監督生の……ユウの言葉と表情を見て
私の中で何かがキレた