第20章 ➖秘密➖
リドル先輩の言葉を遮り
フロイドが笑顔で近付いてくる…
「あ〜〜〜〜!金魚ちゃんだ〜〜!
それに… サラだ〜!」
「うっ!見つかった…」
「はい!サラはコッチねぇ?」
『ちょっと…え?…フロイド!?』
彼に腕を引っ張られ
後ろから抱き締められた
私のお団子頭に顎を乗せて
話しを続けるフロイド…
「金魚ちゃん、こんなとこで何してんの?
かくれんぼ?楽しそうだね」
フロイドの声だけで
いつものあの表情を浮かべているのだろうと
想像ができた
「フ、フロイド…僕のことを変なあだ名で
呼ぶのはやめろと何度言わせるんだい?
それに…彼女を離さないか」
「だって、小さくて赤いのって金魚でしょ?
それに… サラはこのままでいーの」
『え?私このままなの?』
上を向くにも向けず
そのまま正面を向いたまま問いかける
「そーだよ?… サラ?
オレからちょーっとお話しがあるからね?」
私に話す彼の声が
少し柔らかくなった…
大人しく彼に従いそのままでいることに決めた
「なんか変なヤツなんだゾ」
「わー、しゃべる猫だ!おもしろ〜い!
ねえねえ、今度ギュッて絞めていい?」
「し…締める!?やめるんだゾ〜!」
グリムとの会話がひと段落ついたところで
漸く現れたジェイド…
フロイドに捕まったままだが
彼の表情は見ることができた