第51章 ➖視線➖
−ガラッ−
「はぁ〜…やっと見つけたぞ!
カリムお前……ん?
お前は…この学園唯一の女生徒の…
…サラ」
目が合い私の名を口にする
褐色肌の長髪の生徒が
疲れた様子で立っていた
(所々ドレッドにもなってる?
それに…この子…禍々しいものを感じる…)
『えぇ… サラです。
オクタヴィネル寮1年のサラ…
失礼ですが、お名前を……』
「あぁ…そうだったな俺は……」
「コイツはジャミル!スカラビア寮2年の…
ジャミル・バイパー!副寮長だぜサラ」
「なっ!?カリム!
俺が言おうとしていたのに……
はぁ…まぁ、そう言う事だよろしく」
『はい。お願いしますね…ジャミル先輩』
「それで?君らは何を?」
私に問いかけたはずなのに
カリムが事の顛末を話す
「ほお……君がカリム達にねぇ…」
上から下まで舐める様な視線を感じる
『1年生なのに…と、思いますよね?
出過ぎたマネをして失礼いたしました…』
「サラ!そんな事言うなよ!
オレ本当に助かったんだぜ!
楽しかったしまた一緒にやろうぜ?』
重苦しい空気を感じ取って…
と、言うわけでは無いが
彼の発言で空気が変わる
「はぁ…お前はそうやって…俺の……
とりあえず礼を言う助かったよ。
カリム!提出して寮へ帰るぞ?
では、これで失礼する」
「わ、わかった2人共またな!」
カリムの手を引き退出していく2人
(あの子カリムに対して…?
なんでだろう…憎悪?…ん〜…)
『ねぇシルバー、あの子って……』
「すぅ……すぅ……」
気持ち良さそうに眠るシルバーの姿だった…
『まるで御伽噺のお姫様ね。さて…帰るか」
パチンと指を鳴らしシルバーごと寮へと帰る