第5章 ➖別れ…永遠の…➖(主人公視点)
「サラまたね!」
いつもの様に別れを告げた…
そう思ってたのに……
また来年も一緒に笑い合えると思っていたのに
神様は時に残酷だ…
恋心を隠して君の側に居る事すら
許しはしなかったのかな…?
旅を終えた数日後…
両親が事故で亡くなった…
コチラが赤面してしまうくらいに…
仲睦じい両親だった
父は人魚だったが…
私の様に様々な国へ旅をしているうちに
母に出会い…“恋“に落ちた…
海底とは違い不便な陸での暮らし…
学生時代に経験があるとはいえ
“一生“となれば…また、話は違う…
それでも父は“真実の愛“を貫き通す為に
陸の世界での暮らしを選んだ…
そんな2人が大好きだった…
憧れであり、目標でもあった…
そんな2人は……死が2人を分かつ事なく…
共に旅立ってしまった……
故郷を捨て、親の反対を押し切り
愛に生き、駆け落ちした2人だったので
身内など居らず
天涯孤独となってしまった私…。
いつも賑やかだった空間は
時計の秒針まで聞こえる程静かで…
“独り“なのだと言う事を実感させられた。
それから魔法が使えなくなってしまった…
多分…精神的なものだろうが
いつもの様に指を鳴らしても
詠唱や魔法陣を書いても発動せず
力を出す事が出来ずにいた…
(これが運命なのかな…諦めろ…独り耐えろ…
そう言われてるのかな…本当はあなたと…)