第29章 ➖裏切り者達➖
選手入場となり
彼等が動き始めた…
−ゴゴゴゴッ−
物凄い地響きと共にパレード目掛けて
突進してくる人の群れ…
「う、うゎぁぁぁ!体が勝手に……
どけ!どけ〜〜!!!」
「キャー!!!押さないで!」
泣き叫び…逃げ惑う人々…
その群れが行進を止めずディアソムニア寮へ
地獄絵図の様だ
(ラギー…あの子にこんな魔力は無かった。
この間戦ったのだから見誤るハズがない…
アズール…あなた魔法薬まで渡したわね)
「お……い…おい!サラ!…大丈夫か?」
『………え?…』
何度か呼ばれていた様だった
ソレにすら気付けずにいた…
目の前で起こった光景と彼のした事に
怒りと悲しみが込み上げる…
もしかしたら死人が出てたかもしれない…
(…死……家族……やだ……もう…いやだ…)
深く深く心が沈む…
「サラ!サラ?大丈夫?」
『…んっ……アレ?…ハハッ…ごめんね
…驚いちゃって…』
そのまま沈み込みそうだった気持ちが
ユウの声によって戻される…
「顔色悪いんだゾ?」
『ハハッ…大丈夫…大丈夫よ…』
それでも影を落とした私の心…
自分に言い聞かせる様に大丈夫だと呟き
落ち着かせる…
(大丈夫…みんな無事だもの…
アズールが関わってる以上私は…
君に言わなくてはいけない事がある)
先ずはこの騒動を起こした彼等から…