第28章 ∇この感情は…∇ アズール視点
今も変わらず
2人は彼女に好意を抱いている様だった…
言葉にできない魅力があるのは確かだが
僕は彼女が嫌いだ
商売の邪魔をし、一筋縄ではいかない所も
彼女の所為で昔の僕を思い出させる
グズでノロマ…ひとりぼっちだったあの頃を
何も出来なかったあの頃の僕
そんな僕に戻るのはイヤなんだよ…
排除する事が無理なら
彼女に関わらず遠ざければ
あの頃を思い出さずにすむハズだ
そのハズなのに…
彼女から離れたいのに
それが出来ない…
この矛盾した気持ち
彼女から手渡されたコインも手放せず
いつも持ち歩いていた…
得体の知れない感情
気持ちが悪く…不快でしかない感情が
心の中で渦を巻く
(なんなんだこの感情は…気味が悪い。
初めて知るこの感情は一体…?
どんなに調べても分からなかった…
僕にとってあの人の存在とは…)