第15章 お世話係の緑谷くん / パロディ ※甘裏
『出久ー!』
「どうしました? リルルお嬢様?」
『今日お出かけしていいって!』
私は、世間一般で言うお嬢様。
そして小さな頃からお世話係がいる。
それがこの人、緑谷出久。
ちょっと頼りないところがあるけど、私にとっては大切な人だ。
『どこに行こうー? 出久はどこ行きたい?』
「僕は、お嬢様の付き添いですから、お嬢様の行きたいところでいいですよ?」
『うーん…じゃあー』
私達はデートスポットと呼ばれるところに来た。
一度行って見たかったところ。
もちろん出久はデートなんて思ってないだろうけど。
『…やっぱり身分が違うから、なのかな…』
「どうかしました? リルルお嬢様?」
『え、なんでもないよっ、次、ここ行こ!』
せっかくのデートなんだから楽しまないと、私は出久の手を握っていろんなところを連れ回した。
ふと派手な建物が目に入る。
『ねぇねぇ、出久っ、あそこ行ってみたい!』
「どこですか? …ってえっ!?//」
突然、顔が真っ赤になる出久。
どんな場所か知ってるみたいで明らかに様子が変だった。
「あ、あそこは、お嬢様が行く場所ではないですっ」
『じゃあ、何するところなの??』
「そ、それはっ…// と、とにかく、あれは遊ぶところではありませんっ// 」
私が指をさしたのは、いわゆるラブホと呼ばれるところ。
どうしても出久と行きたかったので、最終手段に出た。
『なら私、一人で行ってくる!』
「えっ、あっ、いけません! お嬢様っ!」
入ってしまえばこっちのもの。
特に、変わったことない普通のホテル。
外見と同じくらい中は派手で、店員さんがいないくらい。
部屋に入ると、屋敷よりは小さいがそこそこの広さがある。
「あぁ〜なんでこんなことに…」
『なんだ、ただ、派手なだけじゃない…』
部屋の中を歩き回る、全て屋敷よりは小さいが、お風呂、トイレ、リビング、ベッドと、そして大きいテレビがあった。