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【更新停止中】出久夢物語

第1章 恋のきっかけ




『…ま、前が、見えない、しかも重いっ…』


私は、おぼつかない足取りで手から顔の半分くらいまであるであろう授業の資料を運んでいた。

授業が終わった途端に先生に呼び止められ、資料を職員室まで運んでくれと頼まれてしまった。

誰か手伝ってくれてもいいのに、と思いながら曲がり角を曲がろうとした時だった。


『きゃっ』

「うわぁっ」


漫画みたいなベタな展開が本当にあるなんて思わなかった。

誰かとぶつかって、その衝撃で持っていた資料が宙に舞って、私は床に尻もちを着く。


『ご、ごめんなさいっ!!』

「大丈夫!? 僕こそごめんね!怪我しなかった?」


心配そうに顔を覗き込んで言ってくれたのは、あの有名なA組の緑谷くんだった。


『は、はいっ、大丈夫、ですっ…』


ヒーロー科の緑谷くん、なんだかんだ有名だからちょっと緊張する。


「資料拾うの手伝うね!」

『あ、ありがとうございますっ…』


資料を集めながら、普通科の人だよね、とか結構量あるね、とか、いろんな話をしていたら、全部拾い終わった。

でも、なぜか資料を渡されたのは半分だけ。


『えっと…あの…』

「半分持っていくよ、どこまで運ぶの?」

『あ、職員室です…いいんですか?』

「うん!また誰かにぶつかったら大変だろうから!」


緑谷くんと並んで、職員室まで向かった。

道中もたわいもない話をしていたら、あっという間についた。


『ここまで運んでくれてありがとうございましたっ』

「んーん、元はと言えば、僕がぶつかったのが悪いから…」


じゃあ私はこれで、って別れようとすると、ちょっと待って、って緑谷くんに腕を掴まれた。


『えっ、あ、あの…』

「あ、えと、ご、ごめん、急に腕掴んじゃって、僕は、A組の緑谷出久、良かったら名前教えてくれないかな?

今度会ったら名前で呼びたいからー」


END
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