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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第6章 和泉守兼定 優しい兄ではいられない・:*+.


「兼さーん」
「あー?どうしたー?」
「また刀装失敗しちゃった…」
「大丈夫だ。俺が一緒にやってやる。」
「ふふ。やっぱり兼さんは頼りになるなぁ」


…こんなやり取りは日常茶飯事。
そう。俺はかっこよくて強い和泉守兼定。
不器用で泣き虫でか弱い主を守ってやるのが俺の仕事だ。
俺にとって主はかわいい妹みたいなもんだからな…。


「主、今日のあんたの予定は?」
「えーっと…昼までは事務作業して、夕方からは政府と会議、その後は江戸城に視察に行こうと思うの」
「視察?江戸城にか⁈ 時間遡行軍と出会しでもしたらどうする⁈」
「大丈夫だよー。江戸城の地下に新刀が隠されてるらしくて、その調査を簡単にするだけだから。」

「だめだだめだ!あぶねーよ。俺がついて行ってやる。俺は今日遠征だし、明日にしようぜ?なっ?」
「もぉー本当心配症だなぁ。分かった。本当いつもありがとう」
そう言って嬉しそうに笑って去っていく主を満足そうに見つめる。


「ねぇ。ちょっと主に過保護過ぎない?」
「清光か。そんな事ねーよ。でも俺が守ってやらねーと。」
「兄の責務ってやつですか…。でも俺からするとその兄目線の優しさって残酷。」
「なんでだ?」
「和泉守だって知ってるくせに…主の本当の気持ち」
俺は黙りこむ。身に覚えがないわけじゃない。


あれは確か…主が14歳ぐらいだったか。
この本丸の新米審神者で、何も出来ない主を側で支えていた。
でもいつからか俺を特別な瞳で見るようになったことに気付いて…。
「主、立派な審神者になりたきゃ、一振りの刀剣に感情移入しちゃいけねぇよ。」
そう告げて主の気持ちを牽制しようと自ら線を引いた。


「あん時は…俺からするとあいつはまだ赤児だったからよ。色恋うんぬんより、立派な審神者に育ててやりたくて…」
「なにそれ。でも主はもう立派な審神者に育ったし、しかも魅力的な女性だよ?いつまでも和泉守に守られてるだけの赤児じゃない。」

「なんだよ?今日はずいぶん突っかかってくるな?…とにかくだな。あいつの事は妹として見てきたんだ。これからもそれは変わんねーよ。」
「ふーん。じゃあ俺が主の愛刀になっても文句言わないでよね?お兄ちゃん?」
清光が含みのある顔で笑う。
「なんだそれ?どういう意味だ?」
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