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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第2章 加州清光 甘酸っぱい想い・:*+.


俺の今日の担当は近侍。
…実は主に昨日から明日は近侍にしてって頼んでたんだよね。
今日こそは主にこの気持ちを伝えなきゃ。


「主入るよー」
「清光!大変っ!」
「えっ⁈なになに?どうしたの?」
「急に政府から連絡が来て、育成している刀剣男子のレベルチェックに来るってことになったの!どうしよう…」


レベルチェック⁈確かに半年前にも抜き打ちでそんな事があった気がする…。
うちの本丸には刀剣が20振。
そのうち10振は遠征に出てる。


「落ち着いて主!遠征組はもう出発しちゃったから、とりあえず今日の出陣メンバーを待機させよう!俺すぐに伝えてくる!」
「わっ…分かった!私はすぐに政府に渡す報告書の準備をするね!」

「あーるーじ!」
「わっ!清光?」

不安で泣きそうな顔の主を放っておけなくて、頬を優しく包んで自分の方を向かせる。

「大丈夫。落ち着いて。俺がいるから…ねっ?」
「清光…うん。もう大丈夫!ありがとう!」

少し落ち着いた主にほっとして、他の刀剣達に状況を伝えに回った。


暫くすると、本丸に政府からの調査員が数名到着した。
「普段通りで大丈夫ですよ。半年前から審神者と刀剣のレベルがどれぐらい上がっているかの簡単な確認だけですから。」

「はっ…はい。」
緊張してぎこちない笑顔で受け答えをする主から"そう言われても…"と心の声が聞こえてくる。
そんな主を見て、"俺が支えなきゃ!"と気合いを入れ直す。


政府のチェック項目はいくつかあり、普段の本丸の様子、出陣や遠征の実績など報告書を見せながら主が報告していく。


「…ほぉ。ここの一期一振は優秀だね。出陣で誉を連続で20回近く取ってる」
その時1人の調査員が声をあげた。


「そうなんです。一期一振は半年の間にすごく成長していて、今では部隊で隊長を任せるまでになっています。
それに短刀達の鍛錬にもいつも付き合ってくれて本当に助かっています。」

嬉しそうに話す主を見て誇らしいのに、自分じゃない刀剣が褒められていることに少し苛立ちを覚える。

それに一期一振は主を密かに慕っている刀剣だ。
本人は隠してるし、誰も気付いてないけど…俺には分かる。
主を見つめる時の熱の宿った瞳を見れば一目瞭然だ。
だから尚更、主が一期一振を褒めるのが悔しくて俺は拳をぎゅっと握りしめた。
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