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ONE PIECE短編集

第3章 絡みついたのは愛か死か(トラファルガー・ロー)




「鎖は壁の根っこを引き抜け。このまま持ち帰る」
「アイアイ」
「ちょ…持ち帰るって、どこ…」
「俺の船に決まってるだろ」


あぁ、こんどはこいつに囚われるのか。
本当に組織になんて言えばいいのだろうか。
任務放棄とか失敗とか言われたら私は消されてしまう。
あの組織に追われるなんざまっぴらごめんだ。


「組織とやらに狙われても俺がそれを許すわけねぇだろ」
「なっ」


心を、読まれた…。
にやりと笑った顔は意地悪く、それでもそれが嘘だとは言ってないのがわかる。


「お前は俺のもんだ。これからよろしくな、"Black"」


だめか、ともうあきらめが浮かんだ。
不覚にも、組織に属している上でのタブーを犯してしまった瞬間でもあった。
人に必要以上に関心を持つな、必要以上に近づくな、知ろうとするな。
いつ裏切り、寝返るか分からないこの仕事。
私情を持ってしまっては到底できない仕事であるからこの決まりがあるのに。


「"Black"じゃない・・・・クロエよ」


関心を持ってしまった。
興味を抱いてしまった。
知りたいと思ってしまった。
私は、いろんな意味で囚われたのだ。


「そうか。俺はトラファルガー・ローだ。よろしくな、クロエ」


にやりと笑った先に見えたのは、いったいなんだろうか。



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