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それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第6章 赤の王がその名を汚す


「だって…僕、情けない姿を見せたから。
僕がオーバーブロットしたから…幻滅したのかもしれない…」


寮長である自分がオーバーブロットするなんて、思ってもみなかった。
こんな子供みたいに泣きじゃくるなんて、思ってもみなかった。
泣き止まなければ、と思っているのにも関わらず、涙がボロボロと溢れてくる。
嫌われてしまった、避けられた、そう考えると悲しくて仕方なかった。

「だって僕… スノーに1度も呼んでもらったことない…
ヴィル先輩はヴィル先輩なのに…
スノーが嫌ってるフロイドでも…名前を呼ばれていたのに…」

そう、マジカメで目にした動画で、彼女はフロイドの名を呼んでいた。
今思えば、何でもない日のパーティーの日に、あんなに不機嫌になったのはあれが原因かもしれない。
スノーはよくリーチ兄弟は苦手だ、嫌いだ、と言っている。
その嫌っているフロイドですら、名前で呼ばれていたというのに。
自分だけが呼んでもらえない。
同じ学年なのに、自分だけが先輩呼びされる。
その事実を考えると、本当は、元々スノーは自分のことが嫌いなのではないか、そう思えてくる。

「僕…僕…うぅ……」

「だぁぁぁあ!
うっせえな、そんなのウジウジ心配するくらいなら直接聞けばいいだろーが!」
再び泣き始めたリドルに痺れを切らしたエースは、ついに吠える。

「そんなの!
助けてくれたお礼を伝えがてら直接聞けばいいだろうが!」

「そうですよ、ローズハート君。」
それまで黙っていたクロウリーが見かねてフォローにはいった。
リドルの気持ちはわかる。
だがしかし、スノーの事情も事情だ。
本人が立ち去った今、ここで議論しても仕方ない。
「明日の昼休みに彼女、学園長室に来るはずですから。
その時にでも話せばいいでしょう。
皆さんも昼休みに来なさい。
今回の事の話をしなければ。
今日はそのまま保健室で休んだ方がいいでしょう。
クローバー君、ローズハート君を保健室へ。
私も付き添います。」

「わかりました学園長。
リドル、立てるか?」
学園長であるクロウリーに話をまとめられてしまっては、仕方ない。
リドルは袖で涙をグイッとぬぐうと、力なく立ち上がった。
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