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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第18章 くしゃみ


ー穂波sideー





「へっくしゅん」





6月7日(木)

GWが明けてから、
研磨くんのくしゃみが増えた気がする。

思いがけず鼻水が飛び出てくることも多々あるけど、
風邪とかアレルギーっぽくはなくって、不思議。

噂をすると本当にくしゃみがでるのかな?って、
そんなことを思っちゃう感じのくしゃみ具合。






『はい、ティッシュどうぞ』

「…ん」






ずびぃぃぃぃっ








想像通り小さなのももちろんするけど、
研磨くんのくしゃみは意外と大きいことが多々あると知った。









「…そういえば、翔陽からメールきた」

『翔陽くん』








初めてその名を聞いて以来、今日まで約1ヶ月。
わたしたちの会話の中にちょこちょこと出てくるようになった人。
彼の名前が出る時、研磨くんの様子はいつも通りのようでいて、
ほんの少し、違う。

クロさんの話やカズくんの話をしてるときともちょっと違って、
なんだろう、空気が、ほんのちょっとだけどふっと軽くなるというか。そういう感じ。

話す内容は、メールがきた。〇〇だって。という、
ただの報告ではあるのだけど
そもそも研磨くんがそんなことを報告してくるというだけで
まだ顔を見たことも声を聞いたこともない彼は、
わたしの中ですでに勇者となっている。

翔陽くん。







「日曜に予選敗退したって」

『…あ、そっか』

「…次は春高だ!って」

『うん』






東京では今週末から3週に渡ってインターハイ予選が開催されるそう。

音駒だけでなく、
東京中の高校バレー部がこの日に向けて照準を合わせて
日々練習に勤しんでいるのだなぁ、と
よく知らない身ではあるけど、そんなことを思い、
それを想像するだけでぞわぞわする。

すごい。

音駒ものみんなからも、いつも通りのようでいて
たしかに毎日少しずつピントを徐々に合わせていくような、そんな風な空気を感じる。






「…穂波」

『…ん?』

「今日、木曜日」

『うん』

「レッスンない」

『うん?』

「練習みてって」















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