第6章 欲しかったもの
無事に退院して、かかしの案内により自分の家にも帰ることができた。
警戒しなくて生活ができるなんてこれまでなかったから、夜もゆっくり眠れる。
里内を案内してもらっているとかかしの同期たち、後輩たち、かわいがっている部下とその仲間などたくさんの人に紹介してもらった。
こっちが名前を覚えるのが大変だ。
アスマ「かかし、お前が年下に手を出すとはなぁ。ま、何はともあれお前にもようやく春が来たってことか」
紅「マユも結構もの好きね~なにか嫌なことされたら私に言うのよ?」
ガイ「かかしよ、彼女ができたからといってお前はこの永遠のライバルの存在を忘れたわけではあるまいな?」
テンゾウ「先輩も、時間がたてば落ち着くんですねー。マユさん、実は先輩って昔すごかったんですよ?」
あれ…
私かかしの彼女になんてまだなってないのに、どうしよう、逆に迷惑かかっちゃう。
否定する間もなく、みんなそれぞれに話を続けており、かかしもその会話に反抗したりあきれたりしながら、シッシッと追い払っている。
キバ「しっかし、かかし先生にまさかこんなきれいな彼女ができるなんてよー。さっそく匂い覚えないとなー」
シノ「キバ、それはかかし先生に失礼というものだ。なぜなら…」
ヒナタ「彼氏彼女なんて、ほんとに素敵です…あの、わたしも、いつかナ、ナルトくんと…」
リー「僕たちの知らない間にかかし先生も青春していたんですね!?」
シカマル「青春て、お前、これはどっちかっていうと大人の事情ってやつだろー?」
チョウジ「僕は青春や、大人の事情よりも焼き肉が…」
イノ「馴れ初め気になる―!マユさん今度恋バナしましょー!!」
などなど、あらたにさくらちゃんの同期達に会ってもこの感じ。
みんな好き放題言って、かかしはあたふたしてて面白い。
かかしには迷惑かもしれないけど…今だけ、少し勘違いのままでもいてていいかな…。
かかしは人望が厚いのだろう。たくさんの人が彼を慕っていて、なんだか自分のことのようにうれしくなった。