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あなたの瞳に私が映るまで

第6章 かくれんぼ


『んっ…んっ!?夢かぁ…』
(太宰さんと接吻する夢見るなんて…恥ずかしい。私ったら何考えてんだろ…)


カーテンの隙間から光が差して、もう朝だよと伝えてくる

『昨日は…んーーっと…頭が重くて全然考えられないなぁ…しかも着替えもしてないで寝ちゃって…ハァ…シャキッとするためにシャワー浴びよう』

一人であぁでもないこうでもないと言いながら頭からシャワーを浴びて少しずついつもの自分が目覚めてくる。

着替えて、髪を乾かし、薄っすら化粧をして出勤の準備をする

『あっ…昨日敦くんから貰ったプレゼントってなんなんだろ?開けなくちゃ』

袋の中から綺麗に梱包されたリボンを解くと、

『あっ…これ…太宰さんとお揃いのパジャマだ…』
(どうしよう…恥ずかしいけど…とっても嬉しい)
手にとって自分の前に広げる、見ているだけでくすぐったいような感覚に陥る。

ーーギュッーー

「おはよう。ありさ ちゃん。これ私とお揃いだね!!なんだか新婚さんみたいで照れちゃうねぇ」

後から抱き締められ太宰さんの手が私のお腹のあたりで動いてる。

『太宰さんっ!?新婚さんなんてそんなっ!?わっ私は、ただの居候ですよっ!?あぁー私朝ご飯の準備しなくちゃっ!!今日も卵焼き味の素たっぷりで作りますからねー!!』

焦りながらキッチンへ小走りにさっていく

「なぁんだ…もとに戻っちゃったのかぁ…安心したような…少し物足りないような…」
太宰は小さな声でありさ の背中に投げかける

『んっ?太宰さん何か言いました??』

「うんん。何でもないよぉ。朝ご飯楽しみって思っていただけぇ」

『はいっ!!美味しく作れるように頑張りますからね』

包丁の音、卵を混ぜる音、コンロに火が灯る音、そのどれもが少し前から当たり前になった音…
昔なら縁のなかった幸せの音を聞きながら、
太宰はにやける顔を手で隠し支度をしていく。
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