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あなたの瞳に私が映るまで

第4章 赤・青・黄で黒になる


日中はまだ太陽がジリジリと暑いくらいだけど、お日様の光は前より少し短くなり朝晩は少し冷えてきた。

『太宰さぁん!起きてくださいぃーご飯食べないと遅刻しちゃいますよ』

「んんーもう一寸、夢の中ではあと少しでありさ ちゃんと接吻できるんだよー」

私はこの前起きたアイスの事を思い出し首まで赤くなる。

『それなら尚の事起きなきゃ駄目です!!』

と太宰さんの胸に手を起き身体をゆさゆさと思い切り揺らすと、太宰さんが私の片方の腕を引っ張る

『きゃっ!』バランスを崩された私はまんまと太宰さんの身体に転がるように上半身だけ覆いかぶさると同時に抱き締められる。

「捕まえたぁ!やぁー良い朝だね。ありさ ちゃん。いい目覚めだ」

『もぅっ!太宰さんったら…目が覚めましたか?おはようございます!遅刻しても知りませんからねっ!ご飯しっかり食べてから来てくださいね!私は先に行きますから!』

恥ずかしいのを誤魔化す為に少し早口で伝え、太宰さんから身体を離し、玄関に向かい靴を履く。

(恥ずかしかった…でもやっぱり太宰さんは温かいな…今日の朝ご飯も太宰さんに美味しく食べてもらえたらいいなぁ)

『行ってきます!太宰さん』
「私も温かかったよ。ありさ ちゃん
いってらっしゃい。」
太宰さんは右手をひらひらと動かし、私はそれを見届けて玄関のドアを閉める。


『あっ!大変!今日は早めに行かなきゃなのに遅刻しちゃう!』

近道を使って走って行けばなんとか間に合う!と自分に喝をいれて走り出すと

『たしか…こっちの細い路地を横切ればっ』

『あれっ?行き止まりだ……』
そこにはビルの室外機が置いてあるだけの袋小路、ビルの影で薄暗い場所に、何故か黒い外套を着て、髪の毛は黒いのに毛先は白い、それに肌までも真っ白な男性がしゃがんでいる

『どうかされましたか?お手伝い出来る事ありますか?』

私は咄嗟に男性の方に駆け寄った。
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