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あなたの瞳に私が映るまで

第3章 卵と理想


「ありささん、これ会議に使う資料をコピーお願いします」

『はい!敦くん!お任せください!』

私は、入社試験を終えて無事探偵社に働かせていただく事になりました。住んでいる所は変わらず太宰さんの所にお世話になり。毎日を忙しく過ごしています。
入社試験が終わったあと、探偵社に帰るときはあれだけドキドキしたのに、今はとても居心地がいいと感じています。

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ーー入社試験後ーー

「今、戻りました」

『何処に行ってたんだー!敦!太宰!それに、依頼人がうずまきで待ってるなんて大嘘までついて!!』

「何処にって?決まってるではないかー
ありさ ちゃんの入社試験だよぉー国木田くぅーん」

『なぁにが国木田くぅーんだ!俺は知らんぞ!それに社長が認めるわけなかろう!』

「ですって社長どうします?」

国木田さんが後ろを振り向くと和装姿のこれまた大きい、眼光がとても鋭く、口は真一文字で腕を組む社長が立っていた。

(あぁ、この方が社長さんなんだ。狼さんみたいだなぁ…それに眼を合わせただけで心臓止めれちゃいそう)

「コホンッ!太宰に一任する。」
咳払いをして伝えると社長室へ向かおうとする社長。

「ですって。国木田くん♡おめでとう。ありさ ちゃん」

「社長が認めるのであれば、もう何も言うことはない。」

『あっ…ありがとうございます!国木田さん。』
そして、私は社長に駆け寄り頭を下げた。

『社長さんありがとうございます。これから宜しくお願いします。』

下げていた頭に温かいゴツゴツした大きな手がのっかり、私は頭を上げると耳元で

「私は、眼が合った位では、心臓は止めれん。蓮見 茶を社長室まで頼んだぞ。」

真一文字だった口元が弧を描き私を優しい目で見つめてくれた。

『はい!美味しいお茶お持ち致します!』

(社長さんともなれば私の考えている事も分かっちゃうんだなー。太宰さんも社長さんも凄い人なんだなー。よしっ!社長さんの顔が狼からワンちゃんになるような美味しいお茶煎れなくちゃ!!)

社長がまた咳払いをしている。

「くっ!あはは!ありさ ちゃん頑張ってね!私は呼吸で忙しいから見守ってるよ」

そこから私の新しい生活が始まった
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