第3章 現実と心の狭間
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あの日以来、かかしは自らが不安定になると素直に私のそばに来るようになった。
かかしが話をすればそれを聞き入れ、話さないなら、特に聞かない。
落ち着くまで体や頭をさすったり、寝付くまでそばにいたり、時には一緒にそのまま寝た。
かかし自身からの体験談で、衝動性にかられることもあると聞いていたが正直その場合、ただの衝動で体を重ねてもいいのかという疑問に陥った。
今のところ、そういったことはないのだが…
私たちは恋人同士になっているわけでもない。
ましてや、かかしの気持ちもわからない。
わたしはというと…
うーん…もちろん頼りにしているし、かかしは優しいし、時にもろいけど、気にはなる。
最近気づいたけど、私の前でマスクすることがなくなった。
こりゃモテるわ…なんて年下のくせに、男らしさと色気が入り混じった素顔に、時々なんとも言えなくなるが、いや、大事なのはかかしの心だと、自分のよくわからない感情は横においといた。
でも、ほかの人のところにいって、そーいうことをされたら…?
やっぱりなんか気にくわないな…
やっぱヤキモチか?
考えてもまとまらないため、再度、自分の感情は横に置く。