第1章 傍ら
「エド――――――!!!エドエドエドエドエド!!!!!!」
「だぁ~!!!うるせぇ!!!一度呼べば分かる!!」
「二人ともうるさいよ。」
ここは図書館。
司書のおばちゃんのメガネがきらりと光る。
「ったく…。で?なんだよ。」
「んー?呼んでみたくなっただけー。」
「はぁ?」
眼の前に居る少女は、一応、多分、オレの彼…女…であって
戦争も知らないような、キラキラした笑顔に惹かれたんだ。
今も文献を読んで必死に体を取り戻そうとしている、オレの邪魔をする。
いや、邪魔じゃない。
彼女には、彼女なりの考えがあって行動している。
オレの彼女は頭がいい。
ただ、オレとの観点が違うだけ。
そこに惹かれたのもあるんだろうけど。
「名前を呼んで返事が返ってくるとうれしいよね。」
「…そうか?」
「うん。だって、そばに居るってわかるでしょ?気配でもわかるけど、なんていうか…。」
「なんていうか?」
「エドの声が聞けてうれしい。」
傍ら
オレも、の声が聞けてうれしい。
まぁ、本人には言わねぇけど。