第1章 大好きなのはあなただけ【エース】
『はぁ・・・なんで寮生でもないのにバラ塗ってるんだろ・・・』
恋人であるエースに呼ばれハーツラビュル寮に来たら
運悪くケイト先輩に捕まり薔薇の色ぬりを手伝わされる羽目に・・・。
もちろん魔力のないわたしは手作業のため、すでに腕が限界を迎えてる。
「ここで会ったのも何かの縁・・・諦めて!監督生ちゃん♪
お礼にマジカメ映え間違いなしのスイーツあげるからさ!」
ケイト先輩が言うんだ
きっと綺麗な見た目の美味しいスイーツなんだろうな・・・。
『まぁ、もうこの上のやつ塗ったら終わりなんでいいですけど・・・
スイーツ約束ですからね?』
スイーツで納得してしまう私もどうかと思うが
この際文句を言ってもしょうがない。
最後の一つを塗ろうと背伸びをした時
ーーーーーーガコッ!!
『えっ・・・!?!?』
空も飛べない私なのに体にフワッとした感覚。
(落ちる・・・!!)
体に痛みを感じるのを覚悟して目をギュッと閉じる。
『あ、あれ・・・?』
いつまで経っても来ない痛みに目を開けば
後ろから抱きしめる形で下敷きになってるケイト先輩。
「あっぶなー・・・!監督生ちゃん大丈夫?怪我ない?」
『は、はい・・・!それより、すみません!!
ケイト先輩こそ大丈夫ですか・・・!?』
「ん?俺はヘーキ♪
女の子の体に傷がついたりなんかしたら大変だからね〜」
そう言って笑うケイト先輩。
(いつもヘラヘラしてるけど、男の人なんだな・・・ってそんなこと考えてる場合じゃない・・・!!)
抱きしめられる形で助けてもらったので体が密着し
体格の違いを感じさせられ余計なことを考えてしまった・・・!
急いでケイト先輩から退こうとしたがそれは叶わなかった。
『ケイト先輩・・・?なんで離してくれないんですか・・・?』
「んー?だってこの学園唯一の女の子と触れ合ってるんだよ?
ここで離すなんて勿体無いと思ってさ〜♪」
『いやいやいや・・・!!意味わからないこと言わないでください!!
こんなとこ誰かに見られたr「何やってんの」
言い終わる前に遮る声が聞こえた方を見れば
明らかに不機嫌な顔したエースがこちらを睨んでいた。