第10章 聖者の晩餐
「……まるで戦場……いや、処刑場だ……」
狩り場の残された痕跡を見て宜野座は呟いた。
彼と縢、そして六合塚は行動を共にしていた。宜野座たちが足を踏み入れた場所は、地面だけじゃなく壁までも、至る所に血の跡があった。
「……これは三人や四人なんてもんじゃない……数十人……いや、下手したら百人近く死んでますよね……」
と言った縢は赤い血だまりを踏んで足を進めていく。
「ここに狡噛が誘い込まれた……」
「大量殺人……虐殺? 犯人の目的は……?」
尋ねた六合塚に「ゲームじゃないっすか?」と呟く縢。
「はあ?」
彼の突拍子もない言葉に鋭い語気で放つ宜野座。そんな彼に「えっ……い、いや」と置いて縢は説明する。
「この地下に来た時からずっと感じてたんスよ。対戦ゲームのステージみたいだな……って」
「バーチャルならともかく、生きた人間を使ってゲームだと……!?」
圧のかかった声を発した宜野座。
すると突然、ピピッとノイズ音が鳴り端末から声が聞こえてきた。
『こちらハウンド1 誰か聞こえるか?』
声の主は征陸だ。
応答した宜野座は今の状況を聞く。
『ハウンド3を保護した。生きているのが不思議な有様だ。犯人は人質を取って依然逃亡中。シェパード2が単独で追跡を続行している。急いでくれ!』
征陸の言葉にくそッ、と撲付けるような口調で言い放った宜野座は、救助に向かうと言って通信を切った。
「どうやらそのクソったれなゲームとやらは、まだ終わっていないらしいな……!」
三人はドミネーターを構えて、征陸の居る場所に向かった。