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手のひらの虹 【恋人は公安刑事】津軽高臣編

第5章 思い出の公園へ〈主人公目線・津軽目線〉


津軽さんは、海岸線沿いの駐車場に車を止めた。

「ウサちゃん、あの展望台から、海が一望出来る筈だから、
行くよ」

「はい!」

わたしが車を降りると、津軽さんは、当たり前の様にわたしの手を握って、指を絡ませ、恋人繋ぎで、歩き出す。

(津軽さんって、何しても様になるんだよなぁ。仕草の一つ一つが
いちいちカッコイイ)

津軽さんの、デート用の、お洒落な髪型が、海風で壊され、何時ものちょっとぼさぼさの髪型になった。
それでも、津軽さんは、津軽さんで、やっぱりカッコイイ。

不意に吹いて来た海風はわたしの髪も吹き抜けたので、きっとぐちゃぐちゃになってたと思う。

「折角、可愛くカールしてたのに、ウサちゃん、髪の毛 動物園のカンムリヅルみたいになってるよ」

津軽さんがゲラゲラ笑いながら言った。

!!!

「ひっど」

「カンムリヅルウサちゃん」

「なんですか?その奇妙な動物!」

「今のウサちゃん」

そう言って、津軽さんは、わたしの頬にちゅっと、音を立ててキスを落とした。

「あー、ウサちゃん真っ赤になってるー。カンムリヅルタコウサちゃん、どんどん、謎の生き物になってくね」

また、津軽さんは、ゲラゲラ笑いながら言った。

「津軽さん ホントわたし虐めるの好きですよね?」

「え?俺?うんうん、ウサちゃんにツンデレだから」

わたしは、思うわず、ぷっと吹き出してしまった。

「いやいや、普通ツンツンしてる人ですよね?ツンデレって。津軽さん、わたしをいつも、からかい通しでしょう?」

「え?愛情表現が足りてないって?うんうん 分かった 分かった、ウサちゃんの、ほ・し・が・り・や・さ・ん」

「なんですか?それ?」

津軽さんは、何時もの津軽さんで、本当に津軽さんだった。

展望台へ上がる階段まで、来ると津軽さんは、言った。

「結構、長い階段だね?ウサちゃん 大丈夫?」

「大丈夫です!鍛えてあるんで!」

「あーそうそう、カンムリヅルタコゴリラウサちゃんだったよ、ごめん。ごめん」

もう、わたしは、津軽さんの言葉を無視して階段の数段先を行く津軽さんに手を引っ張られ登って行った。

階段を登り上がると、海が一望出来る展望台に着いた。

目の前に広がるのは、180度見渡せる真っ青な海、海、海。


「わあ、綺麗な海ですね?津軽さん!」

「だね、ウサちゃん」
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