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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第8章 私のための無垢なドレス



ユウはもともと可愛らしい顔立ちをしている。
小さな顔には同じく小さな唇と小さな鼻が付いており、目はくりっと大きい。
しかし今の彼女は慣れない環境のせいで肌は少し荒れ気味で顔色も悪い。髪は潤いがなくパサパサしている。
元いた場所では、化粧水や乳液だってつけていたし、髪の手入れだってちゃんとしていたのだが、彼女はここに手ぶらで来てしまっている為そういう物を持っていなかった。
購買に行けば買うことは出来ると思うが、いかんせんグリムはよく食べる。食費で手一杯でそういう物に割けるお金はなかった。

さて、どうしよう。
ユウは考える。
アルバイトでもしようかと思ったが、今からでは遅すぎる。

ユウは考える。
場所は中庭であった。

「ちょっと」

ユウの耳に聞き覚えのある声が響く。
声のを方を向くと、そこにはヴィルが腕を組んで立っていた。
ユウはヴィルとそこまで親しい間柄ではないが、フェアリーガラの時お世話になった為知らない仲ではない。

「あと少ししたらこの場所、映画研究会の撮影で使うから時間になったら退いてちょうだい」

少し高圧的な態度と、どこか女性的な喋り方。
しかしそれが嫌味なく様になっている彼は、誰がどう見ても美しい。





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