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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第6章 やがて糸は火となり繭となる 2



フロイドがマジカルペンを振る。
地面が、空が、周りの木々が、海の中のように変わった。
大掛かりな幻覚魔法だ。
ユウの側を色鮮やかな魚が泳ぎ、通り過ぎていく。日の光が差し込み、光り輝く海底。
ふとユウとフロイドのいる位置が陰り、ユウが上を見上げれば、頭上に巨大な鯨が泳いでいた。
アニメで見たようなその光景に、思わず彼女の口から感嘆の声が漏れる。

「凄い……」

「気に入った?」

「凄いですフロイド先輩……本当に凄い……。魔法みたいです」

「魔法だよ。幻覚魔法」

「あ、そっか……。そうでしたね」

ユウは時折「綺麗」と呟きながら、その光景を見つめる。

「これがフロイド先輩たちの世界なんですね」

まるで思わず口から溢れでてしまったみたいな声量でそう言った彼女に、フロイドは「オレとジェイド、アズールの故郷はもっと薄暗いけどね」と笑った。





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