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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第4章 マザーとグースとお嬢さん



ジャミルは最初からユウのことを知っていた。
彼女は入学式の時とても目立っていた。何せ魔力がないにも関わらず馬車に連れてこられるなんて前代未聞だ。なおかつ女。
男子校なのにそもそも何故女が連れてこられたのか。闇の鏡がついに壊れたのでは?と、一時期学園では囁かれていた。

しかも彼女、すぐに家に戻されるかと思いきや、異世界からやって来たとかで、グリムという入学式に炎を吹いて暴れ回ったモンスターと2人セットでこの学園の正式な生徒となった。
ユウは有名だ。彼女と話したことはなくても、皆んな彼女のことは知っている。

ジャミルが初めてユウと喋ったのは、マジカルシフト大会が近くなった時のことだ。
その時は連日誰かが怪我をしており、しかも怪我をする生徒はマジフトの有力選手ばかりであった。
そしてその時、ジャミルも怪我をした。料理をしていた際、指を包丁で切ったのだ。

そしてその怪我の原因を探りに、ユウがやって来た。

何人かの生徒と連れ立ってやってきた彼女は、気が弱そうでお人好しそうな女だった。

初めて彼女と向かい合った時、ジャミルはそう思った。

そして2回目、ウィンターホリデーの時。
帰ることができないユウと帰る場所がないグリムが、学園長に火の番を任された。
これは使えると思ったジャミルは彼女たちをスカラビア寮へと招待した。

3回、ジャミルはユウにユニーク魔法を使った。

ウィンターホリデーの一件が終わった後も、ユウはジャミルの目を見て話す。
それがジャミルにとって不思議だった。
彼のユニーク魔法は、自分の目を見たものを洗脳する魔法。
3回もその魔法に掛けられているのに、ホリデー中あんな目にあったのに、何故この女は自分を怖がらないのだろうと。

ジャミル・バイパーにとってユウは不思議な女だった。
何より、自分を見る目が酷く優しくて、輝いて見えるのがとても不思議でならなかった。





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