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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第4章 マザーとグースとお嬢さん



しかし結局何故ジャミルが彼女にトレーをプレゼントしたのかが分からず、ユウが何故かと理由を聞くと、

「前に、トレーで虫を退治しただろ」

と、言った。

「あのトレーはもう使わない方がいい。汚染されてる」

ジャミルは至って真面目な様子だ。
ユウはそれが可笑しかった。
「何て可愛らしいのだろう」と、心の中で思うが勿論それを口に出すことはなく、彼女のジャミルへの恋心がまた一つ大きくなるばかりであった。





ジャミルが作った弁当はとても美味しく、熱砂の国の料理で溢れていた。
その弁当に主婦の味方、冷凍食品は一つも使われておらず、全て手作りだった。

「相変わらず凄く美味しいです」

「そうか。なら良かった。ホリデーの時、君はあまり食べていないようだったから少し心配だったんだ」

「私、人見知りで……あの時は少し緊張してたんです」

「そうなのか?あまりそういう風には感じなかったが。君はよく騒ぎの中心にいるしな」

「好きでいるわけじゃないんですけどね。ほとんど学園長とグリムのせいです」

あとエースとデュース。

ユウは弁当をつつきながら苦笑する。
弁当はあと残りわずかで、彼女のお腹に丁度いいボリューム感だった。
ジャミルはカリムの分を間違えて作ってしまったと言っていたが、それは嘘なのではないかとユウは食べている時に思った。





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