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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第14章 夢みていたのおとぎ話の世界 2



学園長がマジカルペンを振る。
すると目の前に放送器具が現れた。
学園長はそれを少しいじるとマイクのスイッチを入れ、『あー、テステス。ただ今マイクのテスト中』とよく聞く台詞をマイクに向かって言った。

『えー、全校生徒の皆さん。本日オンボロ寮の監督生であるユウさんからお知らせがあります』

学園長はマイクをユウへと譲る。
ユウは一度大きく深呼吸をし、ドクドクとうるさい心臓を手で押さえながらマイクに向かって喋り出した。

『オンボロ寮の監督生のユウです。今日は皆さんにお伝えしたいことがあります』


エースとデュースとグリムはその放送を食堂で聞いてた。
放送が流れた時、騒がしかった食堂が静かになった。
エースとデュースとグリムの座っている席の近くには、リドルとトレイ、ケイトもいた。
そして食堂には、カリムとジャミル。
ヴィルとルークとエペル。
ジャックとラギー。
アズールとジェイド。
そしてフロイドがいた。

『学園長が探してくださったお陰で、明日、故郷へと帰れることになりました』

その言葉に、食堂は再び騒めく。
すでに話を聞いていたエース達も再び顔を俯かせた。

『1年にも満たない短い間でしたが、この世界に来て皆さんに会えた事は一生忘れません。
本当に、ありがとうございました』

プツリ。と音がして放送が終わる。
エース達の近くに座っていたリドル達は、「どう言う事だい?」「今の放送は本当なのか?」と彼らに詰め寄った。


ガタッ!
食堂の一角で、大きな音を立て立ち上がるフロイド。
その顔は真っ青で、今にも倒れてしまうのではないかと言うほどだった。

「フロイド……」

ジェイドの心配そうな声を余所にフロイドは走り出す。
学園長が最初に喋ったと言う事は、彼女は今学園長室にいるに違いない。

フロイドは混雑する食堂で、無理やり人をかき分け走っていった為、あちこちから皿を割る音が食堂に響いた。




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