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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第14章 夢みていたのおとぎ話の世界 2



「ひとつ、確認したい。
君は俺の事が好きだったのか?」

「あ……」

ユウは小さな声を漏らす。
その声は自分の耳ですらよく聞こえないほど小さくか細い声だった。

彼女の頭の中で色んな想いがぐちゃぐちゃと入り乱れている。
ジャミルのことは勿論好きだった。
今でさえ、彼への想いが完全に消えた訳ではない。あの時よりも少しづつ少しづつ小さくなっているだけで、きっとこれからだってジャミルへと抱く特別な想いは完全に消えることはないのだろう。

言いたい。
胸を張って、自信を持って、貴方のことが本当に好きでした。と。
しかしユウはそれを躊躇った。
だって最初に決めたのだ。自分の想いは告げないと。
帰るのだ。明後日には、ユウは闇の鏡を潜り、このおとぎ話のような世界から自分の世界へ。
自分勝手な想いをジャミルに告げ、彼がもしその事を引き摺ってしまったら。
ユウはそれが嫌で、でも確かに恋をしていたのだと、ジャミルに知って欲しかった。

目を押さえることが出来ず、ユウはぽろぽろと大きい雨粒のような涙を落とした。

「……好き……でした……」

嗚咽に紛れたその声は、聞く者に悲しみを与えるような、そんな声だった。

「私……ジャミル先輩のことが、大好きでした……!」



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