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もうひとつの古傷【HP】

第7章 Unanswered letter



 「さあ、気をつけて。私が授けるのは、魔法界で最も穢れた生き物と戦う術」
 赤い布で覆われた何かを杖で叩くと、ガタガタと動き出すそれ。一体何がいるのだろうか。ロックハート先生が布を取ると、鳥籠の中にたくさんの青くて小さな生き物──ピクシー子妖精が捕らえられていた。
 「厄介で危険な小悪魔ですぞ。では、お手並み拝見!」
 鳥籠の扉が開き、一斉に飛び出してくるピクシーたち。顔を手で覆いながら、背を低くする。本で応戦するもの、慌てて部屋から飛び出していくもの、耳を引っ張られてランプに引っ掛けられるもの──これはネビルだが、さまざまだ。開放されたピクシーは本を破ったり、髪を引っ張ったり、やりたい放題だ。一体この事態をどう収集させるのか。ロックハート先生を見ると、軽快に呪文を唱えるが、その杖はピクシーに奪われていた。さらには教員室へと逃げていった。
 『頼もしい先生ね』
 「どうする?」
 『わっ、ちょっ…やめて!』
 1匹のピクシーがローブを引っ張る。なんとか引き剥がそうとすると、別のピクシーがやって来て、別の方向にローブを引っ張り始めた。段々とピクシーの数が増えてきて、ローブが青まみれになる。
 「から離れろ!」
 ハリーとロンが教科書で叩き落としてくれるが、キリがない。杖を取りだしたハーマイオニーが呪文を唱える。ローブを引っ張る力が緩くなり、教室にいるピクシーたちの動きが止まる。
 『ハーマイオニー先生ありがとう』

 「俺に聞きてぇことってなんだ?」
 『自分のことを他の人に聞くのってどうなのかな?っと思ったんだけど、ハグリッドなら知ってるかと思って』
 熱々の紅茶が入ったティーカップを受け取る。どっしりソファに身を沈めるハグリッド。熱いうちに頂こうと1口啜るが、想像以上に熱いそれ。後で頂こうと、近くにある机の上にゆっくりティーカップを置く。
 『私って何者なのかなって…えっと、うーん。なんていうか…そうそうフラッフィーとかノーバートもそうだし、ヘドウィグも授業にでてきたマンドレイクも、いろんな生き物が私の話が通じてるような感じがして。もちろんレイも』
 ハグリッドは何も言わず、ただ私の言葉を黙って聞いてくれている。ファングがタイミングを見計らったように、私の足元へとやってくる。


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